GRE(Generic Routing Encapsulation)

GRE(Generic Routing Encapsulation)

 GRE(Generic Routing Encapsulation)は、異なるネットワーク間での通信を可能にするトンネリングプロトコルの一種であり、IPパケットを他のプロトコルにカプセル化することで、異なるネットワークの間でデータを転送することができます。

 GREは、IPパケットのヘッダにGREヘッダを付加することでカプセル化を実現します。GREヘッダには、カプセル化されたパケットの送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、プロトコルIDなどが含まれます。GREカプセル化されたパケットは、ルーティングされる際にGREヘッダが削除され、元のIPパケットが取り出されます。

 GREは、異なるプロトコルや技術を使用するネットワークを接続するために使用されます。例えば、異なるオフィス間の接続や、異なるプロバイダーが提供するVPNの接続などに利用されます。

GREは、以下のような特徴を持ちます。

  1. プロトコルの柔軟性: GREは、多数のネットワーク層プロトコルをサポートするために設計されています。これにより、異なるネットワーク間でデータを転送するために柔軟な方法が提供されます。
  2. セキュリティ: GREには暗号化機能は含まれていませんが、IPSecを使用して暗号化することができます。IPSecは、データの安全性を確保するためのセキュリティプロトコルであり、GREパケットを暗号化することができます。
  3. トンネリング: GREは、トンネリングに適したプロトコルです。GREを使用すると、異なるネットワーク間でTCP / IPパケットをカプセル化することができます。この機能により、異なる物理的なネットワーク間でトラフィックを転送することができます。
  4. ヘッダーの追加: GREは、パケットのヘッダーに追加情報を付加することができます。これにより、パケットが送信元と宛先の情報を含め、さらに詳細な情報を提供することができます。
  5. オーバーヘッド: GREは、パケットのヘッダーに余分な情報を追加するため、オーバーヘッドが発生することがあります。しかし、トンネリングに適したプロトコルであるため、このオーバーヘッドは必要な代償です。