DNS
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DNSは、Domain Name System（ドメインネームシステム）の略で、インターネット上でドメイン名とIPアドレスを対応づけるための仕組みです。
DNSは、インターネット上のあらゆるデバイス（コンピュータ、スマートフォン、サーバーなど）に一意のIPアドレスを割り当てるためのものです。しかし、人間にとってはIPアドレスは数字の羅列で覚えにくいため、ドメイン名を用いてコンピュータやウェブサイトを呼び出すことができます。
例えば、Webサイトにアクセスするとき、ブラウザはまずDNSサーバにドメイン名を問い合わせます。DNSサーバは、そのドメイン名に対応するIPアドレスを探し出し、それをブラウザに返します。その後、ブラウザはIPアドレスを用いてWebサイトにアクセスします。
DNSには、いくつかのコンポーネントがあります。以下にそれらを簡単に説明します。
- DNSサーバ：DNSクエリに応答するサーバ。主に、ローカルDNSサーバ、ルートDNSサーバ、トップレベルドメインDNSサーバ、権威DNSサーバなどがあります。
- ドメイン：ネットワーク上で一意な識別子となる文字列。例えば、”google.com”や”yahoo.co.jp”などがドメイン名です。
- DNSクエリ：DNSサーバに送信される問い合わせのこと。一般的に、ブラウザが発行するDNSクエリを「リクエスト」と呼びます。
- DNSキャッシュ：DNSサーバが受信したDNSレスポンスを一時的に保存する場所。DNSキャッシュにデータがある場合、DNSサーバは再度問い合わせせずに、保存されたデータを返します。これにより、DNSサーバの負荷を軽減し、高速なDNS応答を実現することができます。
DNSは、インターネット上での通信やWebサイトのアクセスなど、あらゆるインターネットサービスに不可欠な技術です。
DNSサーバ
DNSサーバは、DNSクエリに応答するためのサーバです。DNSサーバは、ネットワーク上でドメイン名とIPアドレスを対応づけるために不可欠な役割を果たしています。
DNSサーバには、いくつかの種類があります。以下に主な種類を説明します。
- ローカルDNSサーバ ローカルDNSサーバは、ネットワーク内のコンピュータやデバイスからのDNSクエリに対応するために使用されます。ローカルDNSサーバは、ネットワーク内のコンピュータによって使用されるため、高速な応答が必要です。一般的に、ISP（インターネットサービスプロバイダ）が提供するルーターには、ローカルDNSサーバが組み込まれています。
- ルートDNSサーバ ルートDNSサーバは、インターネット上で最上位に位置するDNSサーバであり、全てのDNSクエリの最初の相手となります。ルートDNSサーバは、TLD（Top Level Domain）DNSサーバに対して応答を返すことで、ドメイン名とIPアドレスを対応づけるための情報を提供します。
- トップレベルドメインDNSサーバ トップレベルドメインDNSサーバは、TLD（Top Level Domain）に対応するDNSサーバです。例えば、「.com」、「.org」、「.jp」などのトップレベルドメインに対応するDNSサーバがあります。トップレベルドメインDNSサーバは、次に権威DNSサーバにDNSクエリを送信します。
- 権威DNSサーバ 権威DNSサーバは、特定のドメインに対してIPアドレスと関連する情報を提供するDNSサーバです。権威DNSサーバは、ドメイン名とIPアドレスの対応を管理しており、そのドメインのすべてのDNSクエリに対して応答します。
DNSサーバは、世界中のインターネット上で大量に存在しています。これらのサーバは、DNSネームスペースを管理し、インターネット上での通信やWebサイトのアクセスなどに不可欠な機能を提供しています。
DNS問合せ
DNS問い合わせは、ドメイン名から対応するIPアドレスを取得するために行われるリクエストです。DNS問い合わせは、以下の手順に従って実行されます。
- ブラウザやアプリケーションなどのクライアントが、ドメイン名を入力してウェブサイトにアクセスするリクエストを送信します。
- クライアントが使用するDNSサーバ、通常はローカルDNSサーバが、最初のDNSクエリを実行します。ローカルDNSサーバは、そのドメインに対するIPアドレス情報がキャッシュされているかどうかを確認します。もしキャッシュされている場合、ローカルDNSサーバはキャッシュされた情報を使用して応答します。そうでない場合、ローカルDNSサーバは次のステップに進みます。
- ローカルDNSサーバは、ルートDNSサーバにDNSクエリを送信し、そのドメインに対するIPアドレス情報を問い合わせます。ルートDNSサーバは、そのドメイン名に対するトップレベルドメインDNSサーバのIPアドレスを返します。
- ローカルDNSサーバは、トップレベルドメインDNSサーバにDNSクエリを送信し、そのドメインに対する権威DNSサーバのIPアドレスを取得します。
- ローカルDNSサーバは、権威DNSサーバにDNSクエリを送信し、そのドメインに対するIPアドレス情報を取得します。権威DNSサーバは、そのドメインに関する情報を返します。
- ローカルDNSサーバは、取得したIPアドレス情報をキャッシュし、同時にクライアントに対してIPアドレス情報を返します。
DNS問い合わせは、このように複数のステップを経て行われます。DNSサーバが多数存在するため、通常は非常に高速に実行されます。しかし、DNSサーバが応答しない場合や、DNSキャッシュが期限切れになっている場合など、問題が発生することがあります。
DNSラウンドロビン
DNSラウンドロビンは、複数の同じIPアドレスを持つウェブサイトのサーバーにトラフィックを分散させるために使用される手法です。この方法は、ロードバランシングの一種であり、トラフィックを分散することによって、サーバーのパフォーマンスを向上させ、ユーザーの応答時間を短縮します。
DNSラウンドロビンは、DNSサーバが複数のIPアドレスを返すように構成されることによって機能します。この場合、DNSクライアントは、最初に返されたIPアドレスにアクセスを試みます。次に、DNSクライアントは、次のIPアドレスを返されるように要求を再送信します。このプロセスは、すべてのIPアドレスが試されるまで続きます。次に、最初のIPアドレスにトラフィックが再度送信されます。
DNSラウンドロビンの利点は、サーバーの負荷分散とフェイルオーバーが容易であることです。IPアドレスが切り替わることで、負荷を分散させることができます。また、1つのサーバーがダウンした場合でも、他のサーバーにトラフィックを自動的に転送することができます。しかし、DNSラウンドロビンの欠点は、DNSキャッシュの問題や、DNSサーバがトラフィックを均等に分散させられない場合があることです。
最近では、DNSサーバによって動的にロードバランシングが行われるような技術も出ており、より柔軟で高度な負荷分散が実現されています。
