DiffServ
DiffServ
DiffServは、Differentiated Servicesの略で、ネットワーク上でトラフィックを優先度別に処理する技術の一つです。DiffServは、QoS(Quality of Service)と呼ばれる技術の一部であり、ネットワーク上のトラフィック制御に使用されます。
DiffServは、IPネットワークにおいて、トラフィックに優先度を付与するために、パケットのヘッダーにマークを付けます。マークは、8ビットのフィールドであり、DiffServコードポイント(DSCP)と呼ばれます。DSCPは、トラフィックに対する優先度を表します。優先度の高いトラフィックは、優先度の低いトラフィックよりも優先的に処理されます。
DiffServの動作は以下の手順で行われます。
- パケットが送信される際に、送信元のルーターによって、パケットにDSCPが設定されます。
- パケットがルーターを経由して、宛先に到達する際に、ルーターはDSCPを参照して、トラフィックに優先度を付与します。
- ネットワーク内のルーターは、トラフィックの優先度に応じて、トラフィックをキューイングして、優先度の高いトラフィックを優先的に処理します。
DiffServは、ネットワーク内でのトラフィックの優先度を設定するために使用されます。具体的には、ビデオストリーミングやリアルタイム音声通信など、遅延が許容できないトラフィックに優先度を与えることができます。また、DiffServは、トラフィックの帯域幅を制限するためにも使用されます。たとえば、企業ネットワーク内で社員向けのWebトラフィックの帯域幅を制限することで、社員以外からの不正アクセスを防止することができます。
DiffServは、現在広く使われているネットワーク技術の一つであり、インターネットサービスプロバイダーや企業ネットワークなど、さまざまな場所で使用されています。