CRYPTREC

CRYPTREC

CRYPTREC(Cryptography Research and Evaluation Committees)は、日本の電子政府で利用される暗号の安全性を評価・監視し暗号技術の適切な実装法や運用法を調査・検討するプロジェクトです。

 CRYPTRECは、公的機関や専門家から構成される委員会であり、日本の情報セキュリティ政策の一環として、暗号技術の安全性を確保するための評価や標準化を行っています。CRYPTRECは、2000年に設立され、以来、暗号技術の評価や標準化において、世界的な権威として高い評価を得ています。

CRYPTRECは、主に以下の3つの活動を行っています。

  1. 暗号アルゴリズムの評価:CRYPTRECは、暗号アルゴリズムの安全性について、評価基準を策定し、暗号アルゴリズムの評価を行います。この評価結果は、政府機関や企業などによる暗号技術の選定に役立ちます。
  2. 暗号アルゴリズムの標準化:CRYPTRECは、安全性が確保された暗号アルゴリズムについて、日本の国家標準として認定します。この標準化により、日本で使用される暗号技術の安全性が確保されます。
  3. 暗号技術に関する調査研究:CRYPTRECは、暗号技術の研究開発や、暗号技術を用いたセキュリティ対策の研究を行います。この研究成果は、情報セキュリティの向上に貢献します。

 CRYPTRECの評価結果や標準化には、政府機関や企業などが広く参考にしており、日本の情報セキュリティの向上に寄与しています。

CRYPTREC暗号リスト

CRYPTREC暗号リストとは、CRYPTRECが安全性が確保された暗号アルゴリズムについて、日本の国家標準として認定した暗号アルゴリズムのリストです。CRYPTRECが定めた暗号リストは、政府機関や企業などによる暗号技術の選定の参考にされることがあります。

CRYPTREC暗号リストには、以下の3つのセクションがあります。

  1. 鍵交換アルゴリズム:Diffie-Hellman鍵交換やECDH鍵交換などが含まれます。
  2. 共通鍵暗号アルゴリズム:AES、Camelliaなどが含まれます。
  3. 電子署名アルゴリズム:RSA、DSA、ECDSAなどが含まれます。

CRYPTREC暗号リストは、暗号アルゴリズムの安全性に関する評価を行い、安全性が確保されたアルゴリズムのみを認定しています。また、暗号アルゴリズムの安全性は、時代の進化や攻撃技術の進歩に応じて常に変化していくため、CRYPTRECは定期的に暗号アルゴリズムの評価を更新し、リストを更新しています。

CRYPTREC暗号リストは、日本の情報セキュリティにおいて重要な役割を果たしており、政府機関や企業などが情報セキュリティの向上のために、CRYPTREC暗号リストを参考にしています。