CEM

CEM(共通評価方法)

 Common Evaluation Methodology(共通評価方法、CEM)は、ネットワーク機器の性能評価を行うための国際的な規格です。CEMは、ITU-T(国際電気通信連合-電気通信標準化セクター)が策定しており、ネットワーク機器の性能評価に関する一連の手順や評価項目を提供しています。

CEMは、以下のような手順でネットワーク機器の性能評価を行います。

  1. ネットワーク機器の性能評価に必要な機器やソフトウェア、設定などを準備する。
  2. 評価対象となるネットワーク機器の機能や性能を確認し、評価項目を決定する。
  3. 評価項目に応じた評価シナリオを作成し、機器に対して評価を実施する。
  4. 評価結果をまとめ、評価レポートを作成する。

 CEMは、ネットワーク機器の性能評価において一定の基準を提供することで、ネットワーク機器の性能比較を容易にし、ユーザーやベンダー間での信頼性の高い評価を促進することを目的としています。また、CEMは、ネットワーク機器の性能評価を実施するための評価機関や評価ツールの開発を促進することにも役立っています。

 CEMは、ネットワーク機器の性能評価において広く利用されており、特に企業や政府機関、教育機関などでネットワーク機器の調達や評価を行う場合には、CEMに基づいた評価が行われることが多いです。

CEM(Circuit Emulation Service)

 CEMとは、Circuit Emulation Serviceの略で、IPネットワーク上での回線交換網(TDMネットワーク)のエミュレーションを提供するサービスです。CEMは、主に、既存の回線交換網の機能を利用しつつ、IPネットワークへの移行を進める際に使用されます。

CEMは、以下のような仕組みで回線交換網のエミュレーションを実現します。

  1. IPネットワーク上で、TDMフレームをエンキャプセレーションする。
  2. エンキャプセレーションされたフレームをIPパケットとして転送する。
  3. 受信側では、IPパケットからTDMフレームを復元する。
  4. 復元されたTDMフレームを回線交換網に送信する。

 CEMを利用することで、IPネットワークを介して回線交換網の機能を利用できるため、回線交換網上での音声やデータ通信をIPネットワーク上で実現することができます。また、CEMは、回線交換網とIPネットワークを接続するための機器(CEMゲートウェイ)を提供しており、回線交換網とIPネットワークをシームレスに接続することができます。

 CEMは、IPネットワーク上での回線交換網のエミュレーションを実現する技術の一つであり、他にもPseudowireやMPLS-TPなどがあります。それぞれ異なる用途や特徴があり、環境に合わせて適切な技術を選択する必要があります。