ATM

ATM

 ATM (Asynchronous Transfer Mode)は、高速なデータ転送を実現するパケット交換技術の一種で、ネットワーク上での音声、映像、データなどの高速な通信に利用されます。以下では、ATMの特徴と仕組みについて詳しく説明します。

【ATMの特徴】

  1. 固定長のセル ATMでは、53バイトの固定長のセルにデータを分割して転送します。このため、大きなデータを小さなパケットに分割する必要がなく、転送効率が高くなります。
  2. 高速な転送速度 ATMは、1つのセルを最大48Mbpsの速度で転送できます。また、多重化技術を用いることで、複数のセルを同時に転送することができます。
  3. 信頼性の高い転送 ATMは、エラーチェック機能や再送制御機能を備えているため、信頼性の高いデータ転送が可能です。
  4. QoS(Quality of Service)の保証 ATMは、QoSを保証する機能を備えています。QoSは、通信品質の保証に関する技術で、帯域幅、遅延、ジッターなどの通信品質に対して、保証することができます。

【ATMの仕組み】

ATMは、以下のような仕組みで動作します。

  1. 分割・結合 ATMは、送信データを53バイトの固定長のセルに分割して送信し、受信側で再度セルを結合して元のデータに復元します。
  2. 仮想回線 ATMでは、ネットワーク上に仮想回線を設定することができます。仮想回線は、通信する端末間の通信経路を仮想的に設定することができるため、通信品質を保証することができます。
  3. バーチャルパス・バーチャルチャネル 仮想回線を構成するために、バーチャルパスとバーチャルチャネルの2つの概念を使用します。バーチャルパスは、複数のバーチャルチャネルを束ねたもので、ネットワーク上の1つの経路を仮想的に確保する機能です。バーチャルパスは、データの転送経路を一定期間確保するため、通信品質の保証が可能となります。

     バーチャルチャネルは、仮想回線の最小単位で、1つのバーチャルチャネルは、1つの通信経路を表します。バーチャルチャネルは、異なる通信品質を要求するデータを別々に転送することができます。

     バーチャルパスとバーチャルチャネルを組み合わせて使用することで、ネットワーク上に複数の仮想回線を設定することができます。また、ATMは、QoS(Quality of Service)の保証が可能であり、通信品質を確保することができます。仮想回線の設定により、通信品質を一定期間確保するため、ビデオ通話やストリーミング配信など、リアルタイム通信に適した通信を実現することができます。