AEAD

AEAD

 TLS1.3は、最新のTransport Layer Securityプロトコルであり、AEAD暗号化を使用しています。TLS1.3では、以下の4つのAEADアルゴリズムがサポートされています。

  1. AES-GCM
     TLS1.2でも使用されていたAES-GCMは、128ビットまたは256ビットのAES暗号と128ビットのGCM認証モードを使用します。AES-GCMは高速であり、パフォーマンスが重要なアプリケーションに最適です。
  2. ChaCha20-Poly1305
     ChaCha20-Poly1305は、TLS1.3で新たにサポートされたアルゴリズムで、ストリーム暗号であるChaCha20とPoly1305認証タグを使用します。AES-GCMよりも軽量で、モバイルデバイスなどのリソースが限られた環境での使用に適しています。
  3. AES-CCM
     AES-CCMは、AES暗号とCCM認証モードを使用します。AES-CCMは、AES-GCMよりも遅く、ヘッダ保護機能をサポートするために使用されることがあります。
  4. AES-CBC
     AES-CBCは、TLS1.3での非推奨アルゴリズムですが、互換性のために残されています。CBCモードは、暗号化中にパディングオラクル攻撃の脆弱性があるため、セキュリティ上の問題があるとされています。

 TLS1.3のAEADアルゴリズムは、認証と暗号化を同時に実行するため、以前のTLSバージョンよりも安全性が高く、パフォーマンスも向上しています。

 TLS1.3では、AEADアルゴリズムに加えて、AEAD暗号化のためのキー交換手順として、Diffie-Hellman鍵交換、Elliptic Curve Diffie-Hellman鍵交換、およびその組み合わせの3つがサポートされています。

 また、TLS1.3では、AEAD暗号化以外にも、複数の改善が加えられています。たとえば、前のTLSバージョンでは、クライアントが最初に送信するのはクライアント証明書でしたが、TLS1.3では、サーバーが最初に証明書を送信することになりました。また、TLS1.3では、TLS1.2にあったいくつかの攻撃に対する脆弱性が緩和され、パフォーマンスも改善されています。

 最新のTLSプロトコルであるTLS1.3は、AEAD暗号化のための多くの改善が加えられ、安全性が高くパフォーマンスが優れています。このプロトコルは、ウェブサイトやアプリケーションでの通信の暗号化に使用され、個人情報や機密情報の保護に役立ちます。

 また、TLS1.3では、さまざまなセキュリティ上の脆弱性に対する対策が施されています。たとえば、TLS1.2では、CBCパディングオラクル攻撃と呼ばれる攻撃が存在し、暗号化プロトコル自体に脆弱性がありました。TLS1.3では、CBCモードが非推奨となり、AEAD暗号化が必須とされることで、この問題が解決されています。

 TLS1.3では、TLS1.2のような脆弱性を持つ暗号スイートが削除され、セキュリティの向上が図られています。TLS1.3の採用により、ウェブサイトやアプリケーションの通信がより安全になり、ユーザーのプライバシーとセキュリティが確保されます。

 ただし、一部の古いブラウザーやサーバーは、TLS1.3をサポートしていない場合があるため、互換性の問題が生じることがあります。しかし、徐々にTLS1.3の採用が進んでおり、今後ますます普及することが予想されます。