10BASE

10BASE

 10BASEは、最初期のイーサネット技術の1つで、10メガビット/秒(Mbps)のデータ転送速度を提供するイーサネット規格です。10BASEは、共有メディア方式である「ツイストペアケーブル」を使用して通信を行います。以下は、10BASEに関する詳細な情報です。

  • 10BASEは、1980年代に開発され、最初期のイーサネット規格の1つとして普及しました。10BASEは、10 Mbpsのデータ転送速度を提供し、最大ケーブル長は約100メートルです。
  • 10BASEでは、共有メディア方式が使用されます。これは、複数のデバイスが同じ物理的なネットワークメディアを共有し、データをやりとりする方法です。10BASEでは、ツイストペアケーブルが共有メディアとして使用されます。
  • 10BASEでは、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)方式が使用されます。これは、デバイスがデータを送信する前に、ネットワーク上に他の信号が存在するかどうかを確認する方法です。また、データ衝突が発生した場合には、デバイスがそのことを検出し、再送信を行います。
  • 10BASEのツイストペアケーブルは、2本の銅線をねじり合わせたもので、通信に必要な2本の線は1対のケーブルにまとめられます。10BASEでは、ツイストペアケーブルは最大100メートルまで使用できます。
  • 10BASEでは、ハブ(集線器)が使用されます。ハブは、複数のデバイスを接続し、共有メディアを介してデータを転送します。ハブは、CSMA/CD方式を使用して、データ衝突を検出し、再送信を行います。
  • 10BASEの欠点は、データ転送速度が比較的遅く、また共有メディア方式を使用するため、データ転送に競合が発生し、ネットワークのパフォーマンスが低下する可能性があることです。そのため、10BASEは現在ではあまり使用されておらず、より高速なイーサネット規格が普及しています。
  • 10BASEでは、データは「フレーム」と呼ばれるパケット形式で送信されます。フレームには、送信元と宛先の物理アドレス、フレームの種類、データ本体などが含まれます。
  • 10BASEでは、ハブによる信号の再生(リジェネレーション)が必要です。これは、信号が途中で減衰してしまうため、ハブが信号を再生することで信号品質を保つためです。
  • 10BASEは、イーサネットの最初期の規格であるため、後に開発されたイーサネット規格に比べてセキュリティ機能が限られています。10BASEでは、物理的なアクセス制御に依存しているため、MACアドレススプーフィングやARPスプーフィングのような攻撃に対して脆弱です。
  • 10BASEは、現在ではほとんど使用されておらず、より高速で信頼性の高いイーサネット規格が普及しています。代表的なイーサネット規格には、100BASE-TX、1000BASE-T、10GBASE-Tなどがあります。これらの規格では、より高速なデータ転送が可能であり、セキュリティ機能も強化されています。

 以上が、10BASEに関する詳細な情報です。10BASEは、最初期のイーサネット規格の1つであり、共有メディア方式を使用しているため、現在ではあまり使用されていません。しかし、ネットワーク技術の歴史において重要な役割を果たした規格であり、現在でも一部のレガシーシステムで使用されている場合があります。